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眼瞼痙攣

目次

  1. 眼瞼痙攣

眼瞼痙攣は、目の周りに存在する眼輪筋と呼ばれる筋肉が痙攣性収縮を起こし、自分の意志で制御できなくなる状態です。瞼の開閉を制御している脳の神経回路に異常を生じることで、まばたきの制御や、瞼の開閉の切り替えができなくなります。

瞼の運動機能に障害が出ることで、瞬きが増えたり(瞼目過多)、眩しさや異物感などを感じやすくなります。症状が強い場合には、目を開けられなくなる(開瞼困難)ことによる機能的失明となる場合もあり軽視できません。


眼瞼痙攣の原因は様々ですが、痙攣が瞼に限局しているのか、他の部位にも生じているのかということが、原因を鑑別していく上で重要なポイントとなります。

眼瞼痙攣は40-50歳代に多く、治りにくい病気です。女性の方が男性の2.5倍かかりやすいといわれています。抑うつ、不安、不眠などの精神症状を伴うことが半数以上にあるといわれ、うつ病などとの鑑別も大切です。

瞼がピクピクすると言って来院される多くの患者様は、睡眠不足や肉体的疲労、精神的ストレスなどによって生じる眼瞼ミオキニアと呼ばれる状態であることがほとんどです。通常は片目に生じ、数分から数時間で自然に軽快することも多く、休息や睡眠により改善します。

結膜炎やドライアイ、角膜の感染症や傷、角膜異物や睫毛乱生(睫毛の生え方の異常)なども、角膜の知覚を司る三叉神経を刺激することで流涙や異物感を生じ、眼瞼痙攣の原因となります。眼科を受診することでこれらの所見の有無を確認しておくことが大切です。

残念ながら、眼瞼痙攣のほとんどが原因不明であることが多いのも事実です。痙攣が目だけに限局しており、他の部位の痙攣がなく、原因不明なものは本態性眼瞼痙攣と呼ばれます。

頻度の多いものとしてMeige症候群と呼ばれる原因不明の疾患があります。中年の女性に多いといわれ、眼瞼痙攣と一緒に顎を突き出したり、口をすぼめたり、舌を動かしたりするのが特徴です。眼瞼痙攣の原因としては、本態性眼瞼痙攣と、このMeige症候群が頻度としては多いと報告されています。

その他、安定剤、睡眠導入薬、抗精神病薬の服用や、化学物質への曝露、顔面神経が圧迫を受けることによる痙攣(顔面痙攣)が原因となることもあります。

残念ながら、眼瞼痙攣の根本治療はありません。原因として疑わしい所見があれば原疾患の治療を行なう必要があります。薬剤の副作用が眼瞼痙攣の原因として考えられる場合には、病態が許すようであれば内服を中止することで改善に繋がることもあります。

対症療法としての第1選択はボツリヌス毒素療法です。目の周りの皮膚に注射をすることで目を閉じる力を弱め、症状を軽減します。安全性は比較的高いと考えられていますが、効果は永久的ではなく、3-4ヶ月といわれており、費用面などの相談も必要となります。ボツリヌス毒素療法が不可能な症例や、併発した症状(眼瞼下垂など)によって開瞼困難な状態が続くようであれば手術を行う場合もあります。

眼瞼痙攣は眩しい光や疲労、感情など特別なストレスが誘因になることから、サングラスや点眼薬の使用、心身の安静、専門家によるカウンセリングなどにより、ある程度は症状を軽減できるともいわれており、必要に応じてこういった対症療法をお試しするのも良いかもしれません。

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